76人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前達、何なんだ?先生のストッパー?」
仁が疑問を口にすると稲荷がお答えしましょうと口を開いた。
「うちの学校は他とは違って生徒会って組織がなくて、その代わり泉堂君と叙君が二大巨頭として学校を牛耳っているんだ」
牛耳ってるって、荊は喧嘩が強そうだしなんとなく分かるが、庵乃に牛耳ると言う言葉がピンとこない。
仁はただ、へぇーと言うしかなかった。
「大丈夫。判日もその巨頭の中に入れるから」
稲荷は笑ったが、仁には何が大丈夫で何で巨頭になれるのか全然理解できなかった。
仁がはぁ?と言う顔をしているとさっきまで眠っていた荊が口を開いた。
「オレ、寮に帰る。どうせ今日は授業にならねぇだろ」
荊は立ち上がり、先に保健室を出ていってしまった。
「荊の言う通りだね。仁、今から寮の案内をするよ」
庵乃も立ち上がったので、仁も立ち上がる。
「じゃあ先生、また来ます」
庵乃は保健室を出た。
仁も稲荷に一礼して保健室を出る。
「寮は学校の外にあるから」
エレベーターに乗り込んだ。
一階に着くと校門から出ることなく、校舎から少し離れた建物に入った。
「ここが今日から仁が暮らす寮。設備は追々説明するから、まず部屋に案内するよ」
最初のコメントを投稿しよう!