転校早々モテモテ事件

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階段で上に昇る。 四階に着くと校長室のように一室になっていた。 「ここが君の部屋。僕と荊と同室だからよろしく」 庵乃は仁の荷物はそこに置いてある、仁のベッドはこれを使えばいい、机はそこにあると教えてくれた。 仁は取り敢えず、荷物を片付ける。 「そう言えば、荊は?」 「風呂じゃないかな」 庵乃はベッドの上で本を読んでいた。 仁は荊のことを女みたいと思いながら荷物を整理する。 「あ、荊に女って言うの禁句だから」 庵乃は仁の心の中を見透かしたように言った。 「ちなみに僕にも女って言わないでね」 気付いたら仁の隣に庵乃がいた。 「近っ!って、庵乃はどう見ても男じゃん。イケメンアイドル顔だろ」 仁が言うと庵乃が肩を掴んできた。 何だよと仁が庵乃の顔を見ると笑顔だった。 「仁っていいヤツだな」 庵乃は仁の荷物整理を手伝い始めた。 その時、荊が風呂から出てきた。 そして仁と庵乃を見ると口を開いた。 「お前ら二人で何してるんだよ?気持ち悪い」 仁と庵乃が振り返ると荊が侮蔑の目で見ている。 だけど、庵乃は怯まなかった。 「仁が僕のことイケメンアイドル顔って言ってくれたんだ」 「よかったな」
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