悪夢

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桐島は今日のように、たびたび悪夢に起こされていた。 それも最近は悪夢の頻度も徐々に増えており、3日に一度は悪夢を見るようになった。 おかげで寝不足である。 そうして悪夢に睡眠を阻害された日は、大学の講義を休むこともしばしばであった。 とはいえ瞼の裏には克明に悪夢の残滓が焼き付いており、再び睡眠をとることは不可能だった。 だから悪夢に起こされた日はテレビを見たり公園のベンチに座って、1日をぼんやりと過ごし時間に安らぎを求めるのだった。 ただし今日はいつものように漫然と時間を過ごす訳にはいかなかった。 桐島は洗面所の蛇口を捻ると冷たい水を顔に浴びた。
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