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愛しい人
光樹くんになんで泣いているのかを問われるまで、泣いていることにすら気がつかなかった。
何度頬を拭っても、乾くことはない。
まだ、振られたと決まったわけではないけれども、私が選ばれる自信なんて全然ない。
光樹くんが優しくしてくれるのも、私だけじゃないかもしれない。
光樹くんに追いつかれないように、全速力で走って、走って…
たどり着いたのは、来たことのない、どこかの公園だった。
胸が痛い
光樹くんが誰かのものになってしまうのは耐えられないけど、告白する勇気なんて無かった。
涙が止まらない…
携帯を手に、無意識にコールしたのは、美沙都の番号だった。
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