最悪な一日

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今日の朝は、やや遅刻気味に目が覚めると、バタバタと学校に行く準備を始める。 お母さんにグチグチ言われながら、口の中に朝ご飯を詰め込んだ。 用意されていたのは、白ご飯とおみそ汁と納豆… 「お母さん…。私が納豆嫌いなの知ってるよね…?」 少しイライラしながら問いかける。 「嫌ならフリカケでもかけてちょうだい。あなた一人に献立を合わせてられないのよ。お母さんも忙しいの!」 「もういいよ!」 何の変哲もない朝の会話。 あ~朝から嫌いなものが出てくるなんて、テンション下がるなぁ… 家では毎朝同じ番組が、テレビから流れる。 ニュース番組だ。 私が丁度家を出る直前、いつも占いのコーナーが始まる。 今朝はギリギリ1位と12位を発表するところだった。 朝から何だか運が悪い。 "おはようニュース"の占いは最下位。 朝ごはんに嫌いな納豆が出てきたし。 この占い、実は当たるんじゃないの? 学校に来てからも、そう思わせるような出来事が続いた。 昨日の夜に終わらせたハズの宿題がカバンに入っていなかった事に気付いてかなり焦った。 授業中もやたらと当てられるし… いつもなら笑顔で交わすことが出来るのに、何だか今日は全然余裕が無い。 そんな一日を経て、早くも今は放課後。 今日の日直が風邪で休んでしまい、出席番号が次だからという理由で、急遽日直になってしまった。 それが理由で、明日の朝一に行う授業の、重~い教材を運ばされている。 「重いから、気をつけて持てよ」 先生はそういうと、パソコンにかかりっきりになった。 重いって知ってるんなら、手伝ってよ… 心の中で悪態をついてみる。 私は、深いため息を落とした。 「今日は、なんだか散々な一日だったなぁ…。 朝のあの占い、本当に当たるのかも」 今まで、そんなこと気にしたこと無かったのにな… あの占いは、毎回1位と12位に一言アドバイスが付いている。 それは、占い結果だったり、悪い内容の場合は、それを回避・軽減するアドバイスだったりする。 要するにラッキーカラーやラッキーアイテムなどだ。 確か、一言アドバイスは、『突然の別れがあるかも』だったっけ。 「別れねぇ…」 ふとトオルのことを思い描く。 そんな事を考えながら歩いていたら、急に目の前が暗くなった。
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