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電話をかけると、美沙都がすぐに電話に出てくれた。
『もしも~し、瑠奈?どうしたの?』
明るい美沙都の声に少しホッとする。
「み…美沙都…」
『え?何?もしかして泣いてるの?どうしたのよ?』
「う…う…ど、どうしよ…私…涙が止まらな…」
美沙都が困惑しているのが分かる。
それはそうだ。
私ですら、自分で何を言っているかが分からないくらい、混乱していた。
『え…え~と、何言ってんのか分かんないや…どうしようかな…。とりあえず、今どこ?』
「ど、どっかの公園…」
『公園の名前は?』
「え、えっと…」
私は、キョロキョロとあたりを見回したが、公園の名前が分かるようなものが無い。
しょうがなく、入口に向かって歩き出す。
そして、公園の名前が書いてある看板を見つけた。
「う…グスッ…桜川一丁目南公園」
『え?すぐそこじゃん!良かった…。迎えに行くから、とりあえずそこで待ってて!!いい?』
「うん…う、ありがとう…」
本当にすぐ近くだったらしく、美沙都は5分ほどで来てくれた。
「ありゃ、号泣だね…。とりあえず、今日は両親ともいないし、私の家に来る?瑠奈の家には、ウチに泊るって連絡してあげるから、明日は学校も休みだしね」
「…グスッ…う、うん」
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