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家に着いて、瑠奈を自分のベッドに寝かせた。
制服を着たままだけど、しょうがないか。
脱がせることなんて出来るわけがないし…。
って、何を考えているんだ俺は!
はぁ…、シャワーでも浴びて来よう…。
部屋を出ようとしたその時、瑠奈が寝がえりを打つように動いた。
「ん…………こうき…くん」
今、名前を呼ばれた…よな?
振り向いて、瑠奈の顔を覗き込むが起きている様子はない。
「寝言か…」
その時、瑠奈の目から一筋の涙が頬を伝った。
俺はそっと指で涙を拭う。
さっきは交わされてしまったけれども、いつでもこうして君の涙を拭ってあげたいのに。
もっともっと、瑠奈に近い存在になりたいのに、もどかしい。
君が目を覚ましたらきっと言おう。
瑠奈が好きだと…。
今まで不安にさせていたのなら、もっと早く言えば良かった。
俺に勇気が無かった事が、こんなに不安にさせていたなんて思わなかったよ。
…ごめんな。
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