愛しい人

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「あのさ、昨日の放課後の事だけど…」 「あ…」 「何で泣いてたのか教えて?」 声は優しいのに、光樹くんの笑顔は、少し意地悪に見える。 「それは…」 「ん?」 顔が…あつい… 心臓があり得ないくらい早く鼓動を繰り返している。 「…光樹くんに…好きな子がいるって…聞いて…」 あれ? 言っていたら、また涙が出てきた。 「瑠奈…」 「私…、私、光樹くんが好き…」 「えっ?」 光樹くんの少し驚いた声が聞こえた。 え… ええっ…!! 私ったら、私ったら、私ったら……!! 何で、このタイミングで告白しちゃったの!? 「え!やっ!ちょっと待って、今のは…えっと違うくてっ!」 あ~っ、もう!何言ってんの私!! 思わず顔を覆って、光樹くんに背中を向ける。 沈黙が続く… 何も言ってくれないの? そうだよね。 好きでもない子にそんなこと言われたら困るわよね…。 悲しくて、恥ずかしくて涙があふれる。 グスグスと鼻をすすっていると、光樹くんが、私の頭をポンポンと優しく撫でた。
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