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退屈な授業やら、うるさい先生。
それなりに真面目に、それなりに適当に。
欠伸まじりに受ける四時限目が、私には何より幸せ。
だってこの時間さえ耐えれば、麗しきお昼ご飯が待っているのだから。
友達いわく
「ゆかって、ホント食い意地張ってるよね」
うっさい。本能に忠実で何が悪い。
ああもう、早く終わってよ。
もう既に先生の話を聞く体勢じゃない私は、机に体全体を預けて、足をばたつかせていた。
「お腹すいた……」
思わず口から洩れてしまった。
何気なく机に押し付けていた顔を横にずらした。
「……あ」
おう、目が合った。
もしかして、今の独り言聞かれてた?
見つめ合いながらしばし沈黙。
恥ずかしさと特別な気持ちが混ざって、顔が赤くなりそうになった。
「…………おす」
だからごまかすために、気だるげな表情を崩さずあいさつ。
「…………おす」
間抜けな顔で男子は答えた。
…………
………
……
また、二人の間に時が流れた。
何か言ってよ。せめて笑うかツッコめ。
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