プロローグ

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ある村に、一人の青年が住んでいた。 彼は極普通に家をもち、極普通にそこで毎日生活していた。 しかしある日、天から神様が降りてきてこう告げるのだ 「この世界を救えるのは貴方だけです。どうか、世界を救ってください。」と。 その日から青年は「勇者」となり、世界を救う旅に出る。 道中、沢山の仲間と出会い共に旅をすることになったりならなかったりするだろう。 そうして長い時を経て、ついにそれっぽい城にたどり着き、勇者はもしかするとこう叫んじゃうかもしれない。 「いざ!世界を救うために!」 迷路の様に長い城内を剣を振りかざして進み続けると、ついに(おそらく)王座の間の前につく。気合十分に目の前のドアを開ければ、そこには 何も無かった。 そう何も無かったのだ、それっぽいボスやそれっぽい演出が一切無かったのだ。 考えれば道中、敵を見つけることはなくスムーズな旅だった。 そこで神様が降りてきて一言。 「おめでとう!世界は救われました!」 こうして世界は平和になりましたとさ、めでたしめでたし。 さて、これを読んでキミはどう思った? 唖然とした?それともムカついた? そりゃそうだよね、勇者とか神様とか期待させるだけさせといてラスボスどころか敵なんていなかったんだから。 その世界には元々そういう存在がいなかったのさ、残念ながらね。 物足りないかい? もっと戦って、戦って、あわよくばボスなんかも倒しちゃいたいかい? そうだよね、だってこれじゃ剣振りかざして仲間集めているだけだもんね。山賊じゃないんだから、ねぇ。 _
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