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俺「ちょっと頭ついていかへんねんけど、俺はどうすればいいの?」
時『明日から二三日、家を空ける準備をしてください』
でもこっち今それどころじゃなくて、と言えば、今の状況を説明して欲しいと言われ、細かく説明したんです。
時『いまそちらに吉田さんがいますね?』
俺「おるよ」
時『代わってちょうだいな』
と言われたので急いで部屋に戻り、あれこれ話し合ってたとこに割って入って、吉田さんに時子さんから電話、と代わったんです。
吉「はい、吉田です」
はい、はい、とかしばらく相槌打ってたんですけど、突然声色変わって、
吉「急に何を仰るんですか。そうは言うても、この忙しい時に…」
電話をしながら、割り振りを書いた紙に次々×をして行き、指示を受けてるのか、矢印を引っ張っては割り振りを変えていくんです。
黙って見てたんですけど、当初からごろっと変わった予定表。
みどりが追加で良かったのか、ガッツリ詰めれば、俺のところにぽっかり穴が開いたんですね。
隣のリン君を見れば、やっぱり分家へ派遣。
それはもう我が家総動員でしたよ。
吉田の欄には“統括”と赤丸がされ、電話で話しながらペンを止めた吉田さん。
吉「先生、これ以上の無理は…え?」
え?って俺の顔見ては、今度は晴れやかに笑って、全員の名前を大きく赤丸して、笑いながら大きく何事か書くんです。
吉「それを先に言うて欲しかったですね!いいでしょう、それならこちらもそれで動きます」
と言い、電話は終了。
美「これなんですか?」
吉「はっはっは!無理難題はいつものことですけど、これなら聞き入れましょう!」
赤丸の上に、謎の太陽サンサンしたマークを描き、俺達に見せるんです。
赤字で書かれた字。
『全員、本家からの緊急の要請がある場合は、特例を除いてすぐに集まれるようにする』
そのために、関係者の人事配分と緊急時の対応手段を吉田さんにするように指示を出した時子さん。
俺の空白を見てリン君が黙ってるはずもなく、
リ「これはどういうことですか?」
実はさっき時子さんから言われて、と説明すれば。
吉「先生のことです。若さんを連れて急を要することなんでしょう。せやけど“本家からの要請”と仰ったんです」
せやから何かあればいつでも連絡くださいと。
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