1st 森の中で。

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  暗い暗い夜。 田舎だからこそ在る、月と星の光しかない夜。 真上に輝く丸い月は青白い。 「早く来ないかしら…。」 月明かり差し込む森の中、木々の間から空を見上げる少女は言った。 返事をする者は居ない。 聞こえるのは、ただ木々が風に揺れる音だけ。 「あと少し待ってみよう。」 少女は空を見ながら、呟いた。 そして、夜は明ける―… 陽が昇り少したった頃、ふいに近くの木が揺れた。 風はない。 「……やっと来たのね。」 自分にしか聞こえない位小さく言い、少女は立ち上がった。  
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