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昨夜は暗くて分からなかったが、黒髪が腰ほどまである白い肌の少女。年は十代半ばだろうか。
黒いワンピースを着ている。
整った顔を音のした方に向けた。
「はぁ…やっと見つけた。」
草むらから出てきた青年はボロボロの格好だった。所々生傷がある。
こちらは二十代くらいか。
「君が…アキだね?」
青年は少女を見て言う。
「ええ。待っていたわ。」
髪を風になびかせ、少女―アキは微笑む。
「待っていた…?」
「来るのは分かっていたから。」
アキの言葉に青年は驚くが、すぐに「なら結界なんて張るなよ。」と苦笑いした。
「すぐに辿り着かれたらつまらないもの。」
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