一章

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零は持っていた懐中時計を春に見せながら起き上がる 「え、嘘っ!?まだお昼食べてないのに!」 慌てながらはしごを登り零の横に腰を落とし持っていた弁当箱を広げる 「けど零ってまだその懐中時計を持ってたんだね」 「うん、これだけが兄さんの残した物だからね」 俺の手にはどこにでもあるような懐中時計だがしっかりと使い込まれて新品には無い綺麗な輝きがある 二年前にこれと「悩んでも良い、それでも前に進む勇気を持て」という言葉をのこして出て行ってしまった兄さんは俺の憧れであり目標だった それは今も何の変わりもない
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