一章

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まずいな、面倒な事が起きる前に後おっちまうか そうして俺は逃げるように教室へと向かった 「ふむ、あれが・・・・・・」 今は遠くに見える御影の背中を見て意味深に頷きながら嬉し恥ずかし挨拶をして行く目の前の生徒に1人1人挨拶を返していく雪村がいかに人気かを物語っていた 「ふぅ・・・・・なんであの時会長は俺の事を見ていたんだ?」 教室について自分の席に座って直ぐにさっきの事について考え始める 会長とは昔からの顔見知りって訳でもないし、二年と一年では接点がない。なのに何故? 「おはよう零、どうしたの?朝から暗い顔して?」 物思いにふけっていると前から声がしたため顔を上げるとそこには栗色の髪をした女の子がこちらを覗き込んでいた 「あ、あぁ、春か何でもないよ。」 俺に話し掛けてきた女子は百木春(モモキ ハル)こっちは正真正銘の顔見知りで小学校からの腐れ縁なのだ 「何でもないって、明らかに何かありましたって顔してたよ?」 尚も心配そうな顔で覗き込んでくる春に俺は顔を背けた 「だから何でもないって・・・・」 「じゃあ何で顔を背けたの?」
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