3/3
前へ
/24ページ
次へ
夜中、俺が普段通り部屋で勉強していると、ノックが聞こえた 「武瑠くん、ちょっといい?」 あの人が俺を名前で呼ぶときは、決まって機嫌が良いときだ 「はい」 俺はそう言って部屋のドアを開ける すると怖いくらいの笑顔がそこにあった 「なんでしょう………」 「武瑠くん、もうすぐ高校生よね? そろそろ社会勉強した方が良いんじゃないかな~と思って。 魅渡世学園に行ってみない?」 拒否権なんて、ないクセに……… 「はい」 俺がそう答えると笑顔でその場を去って行った 密かに扉の向こうから聞こえた これでアイツの顔を 毎日見なくていいわ という呟きを背に、俺はまた勉強机に向かった ………魅渡世学園は全寮制の男子校だ 金持ちばかりが集められ、独立するための知識を養う学園 「………学園………か………」 武瑠はそう呟いて勉強を再開した
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

167人が本棚に入れています
本棚に追加