目玉

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 おれの右目が突然飛び出した。  あまりのことに、目玉が飛び出るほど驚いた。空中を逃げていく右目を、残っている左目で追う。  右目を戻そうと、部屋中を追いかけ回すが、遠近感がつかめず、しかも空中を飛んでいるものだからとても捕まえられない。  右往左往しているうちに、うかつにも開け放っていた窓から外へ出て行ってしまった。  急いでおれも外へ出ようとしたが、あわてすぎてあちこち身体をぶつけたあげく、道路へ飛び出したころには、どこへ行ったか見失ってしまった。
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