第三章 幻の結婚式

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琳琳王女が丁国から帰国すると、貴陽国の宮殿の前では孫王妃と、琳琳より二つ年上の兄である恭王子が出迎えた。 「母上、兄上、ただ今戻りました。お変わりありませんでしたか?」 すると、恭王子が慌てた様子で近付き、琳琳の手を取り、再び馬車へ乗るよう促しながら言った。 「琳琳、宮殿は今、大変なことになってるんだ。大允国で何かあったみたいで、使者が突然来てるんだが、王女が戻るまでは何も話せない、とお前の帰国を待っている。すぐに大殿へ向かってくれ。」 琳琳王女は胸騒ぎを覚えた。そして、そのまま馬車で大殿へと急いだ。
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