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「それで使者は何と?」
孫王妃が心配そうに尋ねたのに対して、琳琳王女が先程のやり取りを説明した。
それを聞き終えて、真王が口を開いた。
「琳琳、縁談ならいくらでもあるぞ。実は、呂国からも王子の妃にという話が来ていたのだ。一旦は断ったが、まだ妃は決まっていないそうだ。呂国は貴陽国よりも豊かで何不自由なく暮らせるぞ。」
「父王、それは有り難いお話ですが、私はもう太武帝の妻になると決めました。皇后になりたくて嫁ぐのではありません。」
「そこまで言うなら、私は反対はしない。その代わり、我が国のためにしっかりと務めを果たすのだぞ。」
「承知いたしました、父王。ありがとうございます。」
早速、琳琳王女の決断が使者の元へと伝えられた。そして再び使者が大殿へ戻って来た。
「真王陛下、早速ここで今から冊立式を行いたいと思いますが、よろしいですか?」
「構わぬ。では、これより冊立式を行うこととする。琳琳、前へ出て勅命を受けよ。」
琳琳王女が使者の前へ進み出て跪くと、使者は冊立文を読み上げた。
「貴陽国国王 真王の娘 常陽琳琳を親妃とする。親妃は皇后不在における第一の側室とし、位は貴妃と同じく正一品とする。」
「有り難き幸せにございます。」
銀板に刻まれた冊立文が使者の手から琳琳王女の手に渡された。ずしりと重いそれは、まるで彼女の責任の重さを象徴していた。側にいた宮女達によって、冊立文は豪華な装飾がなされた箱へと収められた。
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