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王妃の言ったとおり、次の日から琳琳王女は婚礼の準備に追われていった。決めなくてはならないことや覚えることが多過ぎて、自分がこれから結婚する相手が誰なのかも忘れそうになるくらいだった。
「ああ、もう覚えきれない!」
琳琳王女が結婚式での所作を練習している時だった。王女の元へ太武帝から手紙が届いたのは。
宮女から渡された手紙を手にした琳琳王女ははっとした。ほのかに香の匂いのする高級な紙は、手紙の主が高貴な人物であることを、そして柔らかな字体は、この手紙が私的なものであることを物語っていた。
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