雨漏り

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ふと目が覚める。 時間はもう7:00を回っている。 梅雨の時期とはいえ、もう夏の時間なのにまだ薄暗い。 シャッと勢いよくカーテンを開けると、灰色に曇った空がこちらを覗いていた。 さらに窓に激しく小さな水の粒を叩きつける。時折、風がガタガタと窓を揺らす。 雨だ。 思わずため息を漏らす。こんな日は外に出るのも億劫になる。 朝食を食べよう。着替えて自室からリビングへ階段を下る。 ぽつり ぽつり 床が濡れている。雨漏りしているのが見てとれた。 でも、どこか合点がいかない。 低血圧な私は朝は考え事をしたくなかった。とりあえず雨漏りしているところに大きなバケツを置き、その周りにタオルと雑巾を敷き詰めた。 朝食を食べ終えるとすぐに会社へ向かった。
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