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「私、私達は…貴方達のような者とは生き方が違います。飲み食いしなくても死なないし、お金なんて必要ありません」
「じゃあ、貴女は何故生きているんですか?」
「何故って…」
「人間には苦しみながらも、生きる事の楽しさがあります。僕も昔はそうでした…仲の良い友人と遊んだり、趣味をしたり…でも、いつしか毎日仕事が忙しくなり、それどころか借金も増えて…」
「………」
「人生の楽しさを失って…だから自殺したんです」
「私は…」
「…?」
「何も楽しくない」
「…そうですか」
「すいません、お喋りがすぎました。さぁ、行きましょうか」
そう言って彼に手を差し伸べた。
彼は嫌がる風もなくそっと手を重ね、呟いた。
「ありがとう」
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