転機

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「………」 無言で写真を見つめる誠と同時に私も無言になる。 何をそんなに怒っているのか。 診察室に入れなかったからだろうか。 支払いを済ませ病院を出ても尚、誠は鬼の形相を崩さない。 病院を出たのでいい加減、私も、キレた。 「何でそんな顔してるん!? 喜べよ!! お前の子供やろ!!」 「俺は子供なんか欲しくなかった!!!!!」 誠が怒鳴った。 信じられないという顔で私は固まる。 私は嬉しいのに、 自分が原因なのに、 こいつはこの子をいらないというのか。 「堕せってゆいたいんか。」 私の声は凍りついついた。 .
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