南蛮大名

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特に、配下の将兵との紐帯にかけては比肩し得る将が見当たらず、九国はおろか日の本全土を見回したとて、これを上回る将器はおるまい、とは師の評だ。 これはしかし、誇張ではないだろう。他国からは『雷神』『鬼道雪』の異称で呼ばれ恐れられていることが、何よりの証拠ではなかろうか。 ここでいう『師』というのは、軍配者として大友に長年仕えた『角隈石宗』殿のことだ。 軍配者といっても戦場で采配を振るうことは少なく、政道にも明るく、大友家の繁栄に尽くした。 俺や道雪殿はこの石宗殿に師事した。だから道雪殿とは言わば兄弟弟子に当たるが、顔を会わせる機会などは数えるほどで、実感は乏しい。
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