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それも当然のことで、道雪殿の戸次家は大友家の分家の出身だ。対して俺は身寄りがなくなったところを石宗殿に拾われたにすぎない存在である。
これは分家は主家と同じ杏葉の紋を下賜されることから『同紋衆』とも呼ばれる。
大友家には分家がとにかく多く、立花・高橋・戸次・吉弘・吉岡・臼杵・斎藤・田原・志賀など、いちいち挙げていったらキリがないほとだ。
また、これら分家筋の者は、大友家にあっては血筋以上に別格の存在だ。大友家には、当主のすぐ下に『加判衆』という最高権力機関がある。
当主の命を受け、大友家の具体的な舵取りをするのがこの加判衆であるわけだが、この加判衆に選ばれる資格があるのは同紋衆の者のみだ。
そういう明確な決まりがあるわけではないのだが、当主のフランシス様は常に同紋衆の者しか起用されない。だから実質そういう決まりがあることになる。
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