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私の手から携帯を奪ったおしゃれメガ…ちょっきさんは、にこやかに笑いながら口を開く。
「さあゴミ野郎、いい子だからウイルスを除去しろ。
今ならキャベツ太郎も買ってやるから」
キャ、キャベツ太郎…!
その言葉を聞いたからには、私の心は、全力でウイルスを除去してあげたい気持ちでいっぱいだった。
…が、それは無理な話しだった。
「なぜなら、ウイルスを除去するためには、『Uの悲劇2』内の推理クイズ型の本編を解き、除去用のパスワードを得なければならないからだ。
そして、今回もけるべろす(ちょっきさんちのペット。犬種:ライオン)に左側頭葉をかじられた私は、自分で設定したパスワードを完全に忘れていたのだ」
「またかてめーっ!!」
ゴスッ!!
「ぺねろぺッ!!」
ちょっきチョップ2号が私の脳天に炸裂する。
どうやら、脳内で垂れ流していた言葉を、そのまま口から垂れ流していたらしい。
まさしく源泉垂れ流しというやつだ。
しかしページ数の関係からか、『むしろ好都合だ』と言わんばかりに、ちょっきさんは携帯を操作し始める。
「じゃあ、今回もこれを解けばいいわけだな?」
文句も言わず、すっかりやる気になっている様子のちょっきさん。
今回もすでに(進行が)おしはじめているらしい。
だから私は言った。
「つべこべ言わずに解きやがれ、このおしゃれメガぷぎょっ!!」
ドサリ。
再び床に崩れ落ちる私。
その私の前にしゃがみ込み、再び携帯を操作するちょっきさん。
そしてこの、心の底からどうでもいい寸劇は、ようやく登場人物紹介へと進んでいくらしい…。
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