彼の記憶装置

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「おーい。かなでー」 ドアを叩く音と共に同僚の声がする。 「今日は本州に行く約束だろ。」 「ちょっと待っとけ。」 約束だから仕方ない。 とりあえず普段着に着替え、持ち物のチェックをする。 俺がいる場所は太平洋沖にある、とある財団 .B.D.Cグループの所有の人工島。 この人工島の上には、全.B.D.Cグループの企業に全社員の為の寮、更にスポーツジム、温泉等の娯楽施設がある、超弩級の人工島だ。 夢の楽園とも言える場所だが、なんせ普通の異性との出会いがない。 故に今から日本の本州へ行くのだ。 まぁ、俺にはその気はなく俺の同僚で俺に唯一話し掛けてくる人間の頼みでは、仕方ないだろ? そんなことを考えながら奏は部屋を出た。
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