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雑草
「眠いー」
「寝れば?」
「鈴木って本当に俺に思いやりないよな……」
「きみに こころを ゆるしてる しょうこだよ」
「棒読みですけどね」
「そんないつも哀れな君にクローバーを摘んできた」
「哀れで悪かったな!!しかもいつ採ってきたんだ!」
「今朝」
「……どーせ三つ葉だろ?」
「四つ葉に決まってるじゃん。」
「でも探すの大変だし、」
「そうでもないよ。すぐ見つかったしね。」
「鈴木…(案外優しいの、か…?)」
「はい」
「え、」
「いいよお礼なんて」
「鈴木さん……」
「ん?」
「これはただの雑草です」
「だってクローバーすら見つからなかったんだもん」
「…………」
「この草は心の綺麗な人にだけ四つ葉に見える不思議なものなのです」
「………」
「と、云うことで。」
(少年Bの鈴木は器用。それでいて横暴です。)
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