はじまり

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はじまり

あれは、高校3年生だった、1月末。 私は親や先生が薦める国公立の大学試験に合格し、遊びほうけていた。 本当は、私立大学に行きたかった私。親や先生が喜ぶ中で、一人違う意味での、そう、受験戦争という縛り付けられた空間からの脱却に浮かれていた。 そんな私は学校も終わり、家に帰りつくと、さあ行くかといつもの様に、化粧をはじめる。 まずは制服のブレザーを脱ぎ捨て、朝からくくっていた2つ結びを解く。いつもここで、姉の「制服脱いだら、ちゃんとかけな、シワになるでしょ!」という声が耳につく。 だけど私は「わかってるー。」と曖昧な返事をし、制服のリボンを外しながら、洗濯カゴの前まで移動すると、ブラウスを放り込み、キャミソールとスカートという、いつものスタイルになる。 冬のこの時期に、似つかわしい格好とは、とても言えやしない、これが私の化粧スタイル。
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