プロローグ

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暗い意識に堕ちていく中で、言葉が男の口から押し出されるように呟き漏れる。 「……どうして、こうなった!?……」 そして意識を狩り取られ、闇に堕ちる。 力無く発せられた声を余所に、少女は嬉々として青年を縛り上げ、鬼気迫る勢いで玄関へ引きずっていく。 「今日が、初日なんだから先輩としては、ビシッとしなきゃだね!」 凛とした少女の声を聞けるものは猫以外おらず、ただ虚しく部屋の中に響くのみであった。
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