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「絶対に、肌身離さず持っておくんじゃぞ。
『福千』という神石から創られたという有り難いお守りなんじゃ。きっと様々な厄災から身を助けて頂けるはずじゃ。
年をとると心配性になってかなわんな。約束じゃよ、束……」
源じぃの真剣な眼差しを真摯に受け取る。
そして、迷わず首飾りを架けた。
「わかった。その約束、必ず守るよ」
束は、源じぃの想いに答えるかの様に淀みなく答えた。
「よし、男の約束じゃぞ。
それと、これは以前話しをした『黒田不動産店』までの地図になっておる。
店主は大分変わり者だが、信頼できる人物じゃ。束の事は事前に話を通してあるから、きっと力になって貰える事じゃろう」
黒田不動産店の主人とは、古くからの飲み仲間であるらしい。
源じぃいわく、
「あいつは、返しても返しきれない借りがあると思ってるようじゃ。わしに言わせたら、どっこいどっこいじゃがの」
だそうである。
「向こうに着いたら、地図を頼りに直ぐに向かうよ」
束が言い終えると直ぐに、源じぃはもう一つ懐から何かを取り出した。
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