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「このお金は大切に使うよ。今はまだ無理でも、絶対に将来、源じぃのこと楽させてあげるから、期待しておいてね!! 」
源じぃは、それを聞き少し大げさに頷く。
「うむ。大いに期待しておるぞ…… 立派な男になってから、戻ってくるんじゃぞ。目指すは世界一じゃ!」
何に対しての世界一か判らないが、普段の源じぃ節なので気にならない。
むしろ、暫く聞けなくなるんだと思うと淋しくも感じる。
そして、ほんの少し間が空いた。
「あのさぁ、源じぃ…」
「ん? なんじゃ?? 」
「今まで本当に…… 六年もの間、血の繋がりもない俺を、育ててくれて… 傍にいてくれて……
『本当にありがとうございました!』
それじゃあ、ちょっと世界を獲りに行ってくるよ!」
心からの感謝の言葉を述べた気恥ずかしさから、源じぃの話に乗ってしまった……
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