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遂に、丘の上からでは闇に紛れて、束の姿が見えなくなった。
「やっと姿が見えなくなったか……
お前を護ってやれるのも、ここまでじゃ。
わしの知っている全てを、話してやれず、すまなかったのぉ……
なんの先入観もない、己の眼で世界の真実を見極めるのじゃ……
束の成長を心から願っているよ。
こちらこそ、沢山の笑顔を、幸せな時間をありがとう。
それにしても、今夜は月がよく見えるわい」
独り呟きながら、夜空を見つめる。
真上を見上げると二筋の光が流れた。
一筋は夜空から希望を込めて……
もう一筋は瞳から慈愛を込めて……
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