プロローグ

2/3
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/140ページ
ぼんやりとする頭で、ふと別の思考が働き出す。 『あれ…… そういえば、窓を開けたままで寝たんだっけか?』 「――ぁぁぁい!!!!」 『う~ん、まだ夜は冷えるし、無用心だし、そんなはずないよな……』 「――きなさぁぁぁい!!!!」 『あれ!? さっきから女の子の声が聞こえるような気がしないでもない…… 』 そこまできてハッと気が付く。 急にクリアになっていく思考。それに連れて現実を受け止め切れない心。硬直する体。 そんな中、恐る恐る瞼(まぶた)を開けてみる。 目に飛び込んできたもの… それは、 窓から差し込む朝日 その下で気持ち良さそうに寝ている猫 宙を舞う少女 振り下ろされている木刀 霞ゆく視界 朦朧とする意識………
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!