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ぼんやりとする頭で、ふと別の思考が働き出す。
『あれ…… そういえば、窓を開けたままで寝たんだっけか?』
「――ぁぁぁい!!!!」
『う~ん、まだ夜は冷えるし、無用心だし、そんなはずないよな……』
「――きなさぁぁぁい!!!!」
『あれ!? さっきから女の子の声が聞こえるような気がしないでもない…… 』
そこまできてハッと気が付く。
急にクリアになっていく思考。それに連れて現実を受け止め切れない心。硬直する体。
そんな中、恐る恐る瞼(まぶた)を開けてみる。
目に飛び込んできたもの… それは、
窓から差し込む朝日
その下で気持ち良さそうに寝ている猫
宙を舞う少女
振り下ろされている木刀
霞ゆく視界
朦朧とする意識………
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