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ソレは目の前で起きた
横断歩道。緑色の、青信号。周囲の絶叫
猛速のスポーツカー。小柄で華奢な身体
赤色が舞い、黒色が走り去る
無音だった。
何が舞ったのか、目で追う
少女は強かに、黒く冷たいアスファルトへと――打ち付けられた
なんとも言えない、命の音が響く
悲鳴がこだまする中、誰も少女に近づかない
「……おい。生きてるか?」
それでも。短絡的な僕は、その赤色に駆け寄る
「……は。あたしを舐めないで……全ては筋書き通り……貴方が寄り添うことも含めて、ね」
意識はある。でも、色んな意味で危ない状態だろう
「……お前。なに言ってんだ? アタマ打ったのは分かってるけど……そんな、どこぞの電波女みたいになるもんなのか?」
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