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いつもは健介と昼飯を食べるのだが
その健介は梶原さんの調査をするといってどこかに行ってしまった
仕方ないので1人で学食でいつもの天玉そばを食べていた
「あのー」
声をかけられて振り向くと梶原さんがいた
おそらく食堂に同じクラスの人がいたから声を掛けただけだろう、しかしこれはお近づきになれるチャンスなんじゃないか?
「隣り座っていいですか?」
「構いませんよ」
にっこりと出来る限り爽やかな笑顔で返す
しかしそれ以降会話はない、もしかしたら本当に座る席がここしかなかっただけなのかもしれない
遂に2人とも昼飯を食べ終わってしまった
「おいしかったですね」「えっあ、はい。そうですね」
急に話しかけられて驚く
「少し聞きたいことがあるのですが」
「どうぞなんでも聞いて下さい」
とは言ったものの困ったな、俺の知識はものすごく偏っていて一般常識は愚かこの学校の校則に関してすら答えられる自信がない
「昨日の夜、街の外れの廃工場にいましたよね?そこでなにか見ましたか?」
背筋が凍りつく
汗が止まらない
呼吸が乱れる
そもそもなぜこいつは俺が昨日の夜にあの廃工場にいたことを知っている?
こいつは何者だ?
「その反応やはり見てしまったか」
「あ、あなたはあのバケモノについてなにか知っているのか?」
「今日の放課後、屋上に来なさい」
そういって梶原さんは立ち去っていった
教室に戻ると健介が自分の席でうつ伏せになりながらなにやらつぶやいていた
「あ、秀」
「どうしたんだ?お前は梶原さんを調査するんじゃないのか?」
「それがおかしいんですよ、これでも追跡するのは得意なんですが完全に撒かれてしまいました」
こいつの追跡技術は確かに高い、となるとやはり梶原さんはただ者ではないだろう
「どうしたんですか?考えこんじゃって、似合わないですよ?」
「うるさい、お前には関係ない」
「酷いですねー、永遠の愛を誓ったなかなのに」「俺がいつ誓ったよ」
放課後、いよいよだ
梶原さんがバケモノ側の人間ということもありえる
最低限の装備として、そうだな、万が一の場合これでなんとかなるとは思えないがほうきくらい持っていこう
屋上のドアを開けるとすでに梶原さんがいた
「またせてしまったか、すまなかった」
「別に構わない、早速本題に入るぞ」
本題…ねぇ
「あのバケモノを見たのだろう?」
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