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「それでは我々の本部に案内しよう」
梶原さんがそう言ってから30分ほどたったか
今2人で川沿いを歩いている
「なかなか遠いんだな」
「まぁ此処まで来てしまえばもうそんなに掛からないわ」
ここでずっと気になっていた質問をしてみる
「あのバケモノを目撃してしまった人は仲間にするか殺すかって言ってたけどさ」
「口止めね」
「それはどっちでもいい…、まぁそれでだ。あれを目撃した人全員を仲間にするか口止めしていったらきりがないんじゃないか?そんなに出現率の低いやつを相手に組織が成り立つとも思えないし」
「問題ないわ、そもそもやつらが一般人の目に入ることなどほとんどない。何故ならやつらの目的は…」
「やぁこんにちは。玲奈さんじゃ」
バンッバンッ!
突然現れた軽快な男、そしてそいつが最後まで話し終わる前に梶原さんが銃で2発
俺はあまりの衝撃になにも喋れない
「何すんだい?こっちは挨拶してんだからそっちも挨拶するのが普通だろ?」
しかし弾丸は男の目の前で急に止まりそのまま地面に落ちる
次の瞬間、梶原さんの手が炎に包まれる
「くたばれ!」
炎は男の方へ飛んで行く
「相変わらず野蛮な連中だな、ちぃったぁ敵にも敬意を払えよ」それでも男は平然としている、もはやどこから突っ込んでいいのかわからない
「なっ、これも効かないの!?」
「残念だったね、まぁ今日は本当に偶然見つけたから声掛けただけで、俺だって上からの命令でもないのに命賭けたくないしね。そろそろ帰るよ。別に意外と熱かったからとかじゃないよ?」
早く帰ってくれと心から願う
「相変わらずふざけたやつね」
「そう言うなよ、そうだ!今度駅前の喫茶店でお茶しよう!」
「断る」
「いいや、俺は絶対君を喫茶店に連れて行くね。それまでに他のやつに殺されるなよ?」
そう言って男は立ち去り、梶原さんの手の炎も消える
俺もようやく緊張から解放され梶原さんに話しかける
「さっ、さっきの彼は?知り合い?」
「知り合いと言えば知り合いね、あの趣味の悪いバケモノを生み出してる連中の1人、それも実力的には恐らく最強。本名かどうかは知らないがジェストと名乗っていた」
「途中から手燃えてたけど大丈夫?」
「自分の能力で自分が燃えるなんてバカな真似はしないわ」
能力?また俺の知らない言葉が出てきた…
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