海斗が海斗に戻る日

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『そうだな、確かにお前の病院は美人揃いだ。』 えっ!? なんか乗り気な感じじゃない!? ハラハラしながら携帯を握りしめる。 すると、画面の中のナイトは苦笑して静かに首を振った。 『…でも遠慮する。大切な女がいるからな。』 どうやらナイトは、実は彼女持ちだったらしい。 安心して良いのか悪いのか分からなくて、うぅんと唸りながら続きを見た。 『え!?初めて聞いたぞそんなの!!誰だよ?』 『お前の知らない人だ。』 『紹介しろよ。』 『嫌だね。…俺はあの人を、誰の目にも映させたくないんだ。そしてあの人の瞳にも、俺だけが映っていれば良い。』 ナイトの、珍しく黒い笑顔。 しかしその言葉には…狂う程の愛がこもっている気がした。 羽山もそう感じたらしく、目を見開いて言葉に詰まってしまう。 『…そ、そんなに好きなのか?あ、でも彼女は嫌がらないのか?毎日仕事とはいえ他の女を口説いてるなんて…。』 『ヤキモチを妬かせてるのさ。そうやってどんどん、彼女が俺にのめり込むように。』 『…ファンが聞いたら泣くな』 『ファン?そんなのはどうでも良い。』 !? …………このシーンだ。 ファンという単語が出てきた事で、ようやく海斗が言っていたシーンだと気付いた。
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