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くるくる。
翌日の朝。
早く目が覚めてしまった私は、まだ隣で眠る海斗のサラサラの髪の毛を指でいじって遊んでいた。
そんな私の体には、無数に散らばったキスマークの跡。
昨晩はいつにも増して熱烈だった海斗が、「俺がお前を愛しているという印だ。」と囁き、背中にまで付けてくれた。
「…髪の毛一本も、爪の先まで、私だけのもの…?」
ドラマで言ってくれた海斗の言葉を無意識に呟くと、頬が自然と緩む。
遊里の好きな俺の黒髪が、俺も好きだ、と言ってくれた海斗。
いつも私の不安を感じとり、拭おうとしてくれる海斗。
その声で、言葉で、温もりで、海斗のもつ全てで。
「…愛してる…どうしようもないほど、愛してるよ、海斗。」
小さな小さな声で囁き、頬にキスしようと顔を近づける。
すると、海斗の口元が薄く笑みを浮かべた。
「……お、起きてたのっ!?」
動揺丸出しの声で聞いた途端海斗がくくっと喉の奥で笑う。
「…そういう熱烈な告白は、起きている時にしてくれ。」
「起きてたじゃない!ずっずるいよっ!!」
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