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そうして、それに引き込まれるように私の瞳にも熱が宿るのだ。
「素敵……」
ポーッとする私の頭を、感動で震える声が覚醒させる。
そして一気に羞恥に襲われた。
なにやってんの私!!
エリさんがいるのにっ!!
「本当に…お互いを深く愛されているんですね…。今でも変わる事なく。」
「いや?気持ちなど毎日変わっている。」
「え!?」
エリさんが憧れの瞳で見上げてくる中、バッサリとその言葉を否定される。
思わず驚いて立ち上がると、海斗は私の頭を自分の胸に抱き寄せた。
「毎日、毎日変わっていく。1日が始まり終わる度。遊里の声を聞き笑顔を見る度。……愛しているという気持ちが、どんどんどんどん進化していく。」
低く穏やかな声。
耳を心地よくくすぐる吐息。
とろけそうな程甘い言葉。
それらに刺激されて、目頭が熱くなる。
「もうこれ以上はないだろう。もうここで最高だろう。そう思うのに、毎日感じるんだ……ああ、俺は昨日よりもっと遊里を愛している、と。」
ふっと、頭上で海斗が笑った気配がして、私の涙腺が限界を超えた。
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