◆蒼・第1話◆

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(何なの、この人達。このご時世に着物と大小って。 銃刀法違反だよ。 頭オカシイんじゃないの? こうゆう人達は素直にお金を渡して、さっさと離れた方が身のためね。) 自分も着物(しかも男物)を着てるくせして、酷い言い様である。 さっさと袂から持っているお金をだす。 (一万円位で良いか。 こんな屑にあげるには勿体無いけど、面倒くさいし。) 心の中では随分な事を思っているが、表情は申し訳なさそうにして、 「すみませんが、今これだけしか無くて……」 とお金を差し出す。 受け取った男は訝しげに眉をしかめながら、一万円札を見た。 「…ーお前、俺達を馬鹿にしてんのかっ!? こんな紙切れ何になるっ!!」 と、ばしっと一万円札を怒鳴りながら地面に投げ捨てた。 .
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