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真っ暗闇に突き落とされたかのような感覚の中、ふと紅が言っていた言葉を思い出した。
――――
「ねぇ、蒼。もし私達が離れ離れになって、私が生きてるかどうか分からなくなっても、何がなんでも生きてね。
どんな手段を使ってでも。
だって、生きてさえいれば、いつかまた会えるかもしれないでしょ?」
そう言ってふわりと笑う紅は、とても儚げに見えた。
――――
(私はなんて答えたんだろうー…??)
蒼はなんと答えたのか思い出せずに、唸った。
――結局思い出す事は出来なかった。
ただ、さっきまでの暗い気持ちはさっぱりとしていた。
(紅――約束するよ。私は何がなんでも生きていくから、いつかまた必ず会おうね!!)
小さく胸の前で手を握り、きっと何処かで生きているだろう紅に蒼は誓った。
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