12人が本棚に入れています
本棚に追加
決意したは良いが、蒼は知り合いが誰もいないこの状況下でどうやって生きていくかを考えていた。
――だが周りの景色が森だけでは、何の判断材料にもならないと思い至る。
(取りあえず、此処が何処だかを知る必要があるよね。まずは何処か人の居る場所に行かなきゃ。)
そう考えて、蒼はこの森を抜ける為に歩き出した。
ただ闇雲にではなく、僅かな傾斜の下に向かって。
15分程歩くと――森が途切れて土が固められたような道が見えた。
(良かった……!!)
人のいる場所に出られると思い、蒼は心からほっとした。
ガサガサッと茂みを掻き分けて、道に出る。
.
最初のコメントを投稿しよう!