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目の前に広がるのは、どこかの片田舎のような少し広いあぜ道と田園風景だった。
蒼と紅が住んでいたのは少し外れてはいたが東京だったので、――随分遠い場所にいると蒼は思った。
その場でしばらく立ち止まっていると、ふいに後ろで複数の男の声がした。
「よぉ。お前良い身なりしてんなぁ。
俺ら今、金が無ぇんだよ。ちょっと貸してくんねぇか?」
「返す気は無ぇけどな。」
「違ぇねぇ!!ギャハハハ!!」
振り返ると着古した着物を着て、大小を腰に差した男3人が下卑た笑い声をあげていた。
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