刀狩り

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カコン その日丁度非番だった総司は、早速刀狩り首謀者を探していたのだが… 「人っ子一人居やしない。」 京の都は夜は静かだ。 皆日が落ち始めると、外には出ない風習がある。 「つまらないなあ~」 ボヤく総司の耳に、瓦を駆ける音が響いて聞こえた。 少しずつ近付いてくる足音。 総司の胸が期待でいっぱいになる。 まだか、まだか、まだか、まだか、まだか、まだか…近い! 「見つけましたよ!」 総司は気配のする方を目掛けて、小刀を力一杯投げつけた。 と、 「うわっ!危ないやろ!って、んー?沖田はん?」 総司はその姿に重い重い溜め息を吐いた。 何せ目当てのものでは無かったものだから。 「隊務帰りですか、山崎さん。」 どうでも良さげな総司に、山崎は苦笑しながら目線を同じくした。 「なんや、外れやったんか?まあそう落ちんとき!」 次もある。そう諦めていそうに無い総司の背を、明るく叩いて笑った。 「好きなものは先に食べるんだよ~」 つまり、興味を持てば早々に。が、彼の原動力だ。 ガシャ… 二人の上から瓦の滑る音が。 「なんや?」 見上げる山崎に、総司はニヤリ。笑った。 「見つけましたよ!」 総司が食い付いてやろうとするも… 「一日に一人と決めてるんだ。お互い残念だったね、お兄さん。」 藤志郎は自慢の足で、空を翔けた。 「番井 藤志郎。またね。」 すれ違った二人。 そして時代はゆっくり動き出す。 「わいはーー!?」 勿論、山崎も含めて。
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