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明日香が長い長考に入ってしまったので、違う所に目を向け待つことに。
クラスの後ろ、扉の付近できゃっきゃっと女子達が1人の男子を囲んでいる。
「おい、まただぜ」
「あぁ、あの渦の中心。どうせまた五十嵐だろ」
「くっそ~、アイツなんていうかさ~、…別格じゃん? だから、近寄れないし、女子の人気も分かるけどよ、……納得いかね~よな」
などと俺の前、教壇辺りの男子グループからの否なんの声が聞こえてきた。
五十嵐……五十嵐………誰だ?
入学式の次の日に自己紹介をしたのだが、俺は他人の事など知りたくもなかったために聞いていなかったのだ。
五十嵐が誰なのかを聞くために、無駄だろうと思いながらも、一応明日香に聞いてみることにする。
「なぁ明日香、五十嵐ってクラスメイト知ってるか?」
「…………………………」
「……さいですか」
反応がないの承知で聞いたので、まぁこんなことになることはあらかた想像出来ていたけどさ、…なんか悲しいもんだな(泣)
明日香の反応がないことに、俺がしょぼぼ~んとしていると、
「あぁ~、あったよ~!!」
と言いながらぽんと手を叩く明日香。
てか、声でかい。でかすぎるって、ほら~、周りの視線独占しちゃってるから。
そんなことは、お構い無しの明日香さん。
話を進めてきます。
てか、ちょっとは気にしたほうがいいですよ?
と、内心言っておくことにした。
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