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「何を暢気にに弁当食べようとしてんのさ! 一体どういうこと!?」
首を絞めかねない勢いでわたしの肩を揺さぶられて、箸で摘まんでいたエビフライが弁当箱に帰っていった。
「あっぶな……ちょっと茜(あかね)! エビフライが落ちるところだったじゃ、ん……」
振り返ればすごい形相をしたクラスメート、伴野茜(ばんのあかね)がいて、食べ物の恨みはなんぞやを語ろうとしたわたしをたじろがせた。
「エビフライなんかどうでもいい! さっきのはどういうことかって聞いてんの!」
「……さっきの?」
わたしの頭はすでに弁当箱をカラフルに彩るおかずでいっぱいで、茜の言う『さっきの』に思い当たらず、首を傾げてみる。
「惚けないでよ。世界地図片付けに行ったきり戻ってこないから、また迷子になったんじゃないかと心配してメールしても電話してもでないし。で、やっと戻ってきたと思ったら、小林(こばやし)先輩と一緒だし!」
「小林……先輩?」
「ちょっと、まさか知らないの? あの金髪の人、小林聡悟(こばやしそうご)先輩。超有名人だよ!?」
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