人気者なキミ

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いつも通り通学に使っている電車から下りて改札を抜けると、 「ミィ」 駅の柱にもたれ掛かるようにして立っていた小林先輩がいた。 「んな!? 何で……?」 「彼女を待ってちゃ悪い?」 「か、彼女!?」 そう言われて昨日の出来事が蘇る。 『俺と付き合って』 そう言った小林先輩は用事があるから、と足早に去っていってしまい、その彼の背中を唖然と眺めていたわたし。 あまりにもあっさりと歩いていくから、冗談なのだと思っていた。 そもそも昨日申し込まれたオツキアイを了承した覚えがないのだけれど。 ブリーチした金髪。 ブルーグレーのコンタクトをはめ込んだアーモンド型の目。 通った鼻筋に形のいい眉と唇。 シャープなラインを描く輪郭。 それだけでも十分なのに、モデルみたいなスタイルまで兼ね備え、着崩した制服すら様になっている気がする。 「わからない……」 そんな天から二物も三物も与えられたような人が、なぜにわたしとオツキアイを?
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