真面目なキミ

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     ※※※※ 「はい! お待ちどー!」 威勢のいい声と共に目の前に現れたのは、小林先輩イチオシの野菜たっぷり味噌ラーメン。 「いただきます」 お行儀よく両手を合わせてから箸を取る先輩を見ていたら、わたしにも食べるようにと促す。 「い、いただきます」 小林先輩に倣って両手を合わせると、彼は満足そうに頷いて麺を啜り始めた。 まさか付き合ってほしい場所が学校からも近いこのラーメン屋だとはも思わなかった。 いや、ラーメンは好きなんだけど、でも一応付き合いたてなわけだし、何ていうか……うん、何かもういいや。 彼氏との初めてのお出掛けは、理想としていたものとはかけ離れたものだったけれど、始まりが始まりなのだから、これ以上夢見ても仕方ない。 考えることを放棄して食べたラーメンは、思っていたよりもずっと美味しくて、ちゃっかりスープまで飲み干してしまった。 「わ、真っ暗」 奢るという小林先輩の言葉を辞退して、きっちり割り勘で代金を支払って店を出ると、とうに日は沈みきって夜を迎えていた。
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