特別なキミ(前編)

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全くその通りだ、と否定できない篤史の言葉に、ただただ苦笑いを浮かべるしかできない。 知られてはならない感情に気が付いてから、あまり人を寄せ付けないようにしてきた。 しかし、今はもうそんな必要もなくなった。 篤史の言う通り、殻から抜け出すチャンスなのかもしれない。 「あー、いい天気だな」 「はぁ? まったくお前は……ほんま人の話を聞かんな」 「んー」 聞いてるよ。 そんな意味合いを込めた短い返事を不満げな声音に返せば、隣の幼馴染みは軽く溜め息を吐き出してからはそれ以上口を開くことはなかった。 仰いだ空に向かってぐっと背筋を伸ばせば、広がる視界。 やって、みようか。 どこまでも続く空を眺めていると、不思議と前向きになり、何でもできてしまうんじゃないかと思わされる。 失敗したってやり直せばいい。 挫けたとしても、大切な存在があり続ける限り、立ち上がれるような気がするから。 「おまたせしましたー!」 ふいに校舎の影から現れた姿に自然と頬が緩む。 うん、やっぱり。 やっぱり君がいてくれたら、俺は何でもできそうな気がするんだ。 それだけ君は、俺にとって……ー。
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